Written by 阿蘇市一の宮町 国造神社の「手野の大杉」が語る
樹木はいかにして神木になるのか－神は死なず(3)
やがてわたしは、神の木、神の宿る木といわれるようになりました。
いつのまにか、みなさんを見おろす高さにもなりました。
いろいろなこともありましたが、里人のみなさんに丁寧にあつかっていただいたおかげで、いまもこうして、この場所に居ることができています。
わたしは、ころされなかったのです。ころされることなく、そのままのものとして、この場所で変わらない時間をすごすことになりました。
死とはなんでしょう。死ぬとはなんでしょうか。
わたしはころされることなく、いまもこうして存在しています。
それは、里人のみなさんとのかかわりによってなされたものです。
わたしは、いつ死んでもおかしくありませんでしたが、いまもこうして存在をしています。
「神」は死なず。
そのことを、不滅であるということもできるのかもしれませんが、それはすこしばかり性急な表現であるように感じます。
「不滅」ではありませんから…。
（次回につづく）
2023.8.7記