この宇宙を数学という学では、完全に説明できないことを証明したのが、クルト・ゲーデルが1931年に発表した論文の不完全性定理というものです。この時期、20世紀の初頭には、アインシュタインやフォン・ノイマンなどの天才といわれる人間が、ヨーロッパに次々と生まれ、それらの天才は、ナチスの台頭で、ほとんどが、新大陸のアメリカに移り、アメリカの世紀を支えました。数式で宇宙は完全に理解できないことを知りながら、今でも人間は、宇宙物理学という分野で、数式を使っています。どうやら、これらの人知の矛盾と、アリストテレス以来の天才とされるゲーデルの論理学者としての成果が正しく評価されるタイミングが、2039の波動の中に含まれているようなのです。神と神々は、人間の数学というものに何の興味も示しませんでした。その理由が、たぶん、そのタイミングで解明されることになるのでしょう。それは、同時にノイマン型のコンピューターの出現や、核兵器の使用という、アメリカ・ヨーロッパ文明の限界も示すことになるのでしょう。人間史には、このような天才が集団的に生まれ、時代を変革するタイミングがありますが、その理由も、やがて、人知の側に移るはずです。
二千二十三年 一月九日 積 哲夫 記