敗戦後の日本で、今だけ、金だけ、自分だけ、という風潮が生まれ、それを、ほとんどの日本人に定着させてしまったのは、たぶん、マスメディアが伝えた、アメリカ文化礼讃のコンテンツの作用だと考えられます。このアメリカ文化というものとセットであるのが、実はマネーへの信仰のようなエネルギーでした。これに対抗する世界で唯一の文化圏であったのが、江戸文化の日本で、明治の日本も、そのマネーの持つ破壊力を認識して、それなりの日本文化保全策を整えたようですが、それらが破綻したのが、第一次世界大戦の参加で生まれた超好景気とそれに続く、大恐慌の時代の国民の貧困化の体験でした。実は、マネーの持つ波動には、こうした過去の歴史のデータも刻印されているのです。いま、アメリカで進行中のシリコンバレーバンクの破綻と、それに続く、銀行システムへの不安感の増大が、マネーの波動にも反映されつつあります。これからの経済を考える前に、ダークマネーの波動シールを自分の頭に貼ってみて、このムーブメントが、どこへ続くかを探査してみるのも一興かもしれません。ダークマネーの波動が、どんなに人間を不安にするかを知るチャンスです。
二千二十三年 三月二十日 積 哲夫 記