ヒトはいかにしてカミになるのか(35)

他化自在天と 怨霊になる方法(22)

「畜生」の層で「怨+念」のエネルギーを溜め込んだ状態で

3 「かくかくしかじかなので、死んだら怨霊にしてくれ」としかるべき相手のところへ頼む
それを認められると、怨霊になれる
認められないと、畜生道の住人のまま

これが「公式の怨霊には自分勝手にはなれませんよ」という理由です。
菅公の場合、頼んだ「しかるべき相手」が仏界の他化自在天にいる存在でした。
願いが認められた結果、怨霊になれたのです。

もちろん、ある日思いつきで適当に一度や二度頼んだところで、神仏に願いが届くものではありません。
怨霊になる方法(4)に、
「むかしの人間は、毎日毎日神仏に向かってあれやこれや、願ってましたからねえ。それを生涯やっていたわけですよ。」
という話があったように、平安時代の貴族にとって、祈願は日常生活の一部でした。それ相応の支出もともなったことでしょう。